近年、医療や科学の進歩・生活環境や食生活の変化などに伴い、日本人の長寿化が急速に進んでいる。高齢者の人口が増えているということは、高齢者が暮らしやすい社会を作ることが大切ということになる。何故ならばそのことが、高齢者の人権を保障するということになるからである。
街では、バリアフリー化、高齢者の為のいくつかの施設など作られているが、本当に十分といえるのだろうか。
今の若い人達は、形だけ優しくしていて、心の中では高齢者をうとましく思っている傾向があるのではないか、というアンケート結果も出ている。本当に優しくするのなら、電車やバスの中で、シルバーシートはもちろん、普通の席でも譲るだろう。もっと言えば、シルバーシートは必要無いはずだ。そういう点から、僕にも今の若者の傾向があると思う。
この夏、僕は友達に誘われ、区内の高齢者の為のケアプラザでボランティアをした。自分からではなかったので、初めはあまり乗り気ではなかった。
しかし実際やってみて気持ちは変わった。
高齢者の方々が、若い世代とのふれ合いをとても望んでいることが分かったし、僕と一緒にいた一日をとても喜んでくれた。そしてそのことは、僕自身とてもうれしかった。
僕の発見はそれだけではない。このボランティアで、高齢者と接する上での約束ごとがあることを知った。
一つは、「おじいさん」「おばあさん」と呼ぶのではなく、一人ひとりの苗字で呼ぶこと。約束の説明だけだったので、理由は聞いてないが、これは、「おじいさん」「おばあさん」と全員を同じ言い方で、ひとまとめとして呼ぶのではなく、一人ひとりを大事にするということだと思う。
もう一つは、そのボランティアで知り得た情報を絶対に誰にも話してはいけないこと。
これは、話をした本人に悪意は無くても、話をしてしまったことによって、話された人が嫌な思いをしないようにする為だと思う。
そして、一番大きな発見は、ボランティアというと、僕達が何か相手に与えているような気になるが、実際は逆ではないかと感じたことだ。高齢者の方々は、僕達よりずっと長く生きて、色々な体験をしている人達だ。そういう人達から生きる知恵やヒントをもらえるのは僕達だと思ったのだ。優しい心遣いや気配りをしてくれたり、色々な事を話してくれたりして見習うべき点が沢山あった。
人権とは、私達が幸せに生きる為の権利で、人権や民族、性別を超えて万人に共通した一人ひとりに備わった権利だという。先程紹介したケアプラザでの約束ごとは確かに、一人ひとりの人権を守り、幸せに過ごす為のものである。しかし、ケアプラザなどの施設に行かなくては、幸せになれないのでは、おかしいと思う。地域や家庭で十分に幸せを感じつつ、それをより豊かにする為のケアプラザであってほしいと僕は思う。
僕は身近に祖父母がいる。そして祖父母が大好きだ。祖父母とはふれ合う機会が多いものの、他の高齢者とのふれ合いはほとんど無い。それは僕だけではないと思う。まずは、地域の方など身近な高齢者とのふれ合いをもっと、積極的にしていくことで、世代間の穴を埋めることができるのではないだろうか。
逆にお互いにふれ合い、理解し合わなければ、高齢者をうとましく思ったり、高齢者が「近頃の若者は・・・。」と思ったりすることは無くならないと思う。
そのためにも、僕はまず、近所の方へのあいさつと、街で困っている方への声かけから始めてみようと思っている。
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